![]() 架橋結合されたセルロース繊維を備えたタンポンおよびその製造のための改良された合成方法
专利摘要:
吸水性およびウェット状態における強度を向上させるための微細構造に対する処理の施された架橋結合されたセルロース繊維を備えるタンポン用綿撒糸を提供する。当該繊維は、架橋結合剤により処理され、少なくとも1の架橋結合間の分子の分子量が約10乃至200であり、かつ結晶度が約25%乃至75%である。当該架橋結合剤は重量比1%のクエン酸を含んでいる。当該架橋結合剤はさらに、重量比1%の次亜リン酸ナトリウムを含んでもよい。他の実施例において、当該架橋結合剤はグリオキサルまたはグリオキサルから生成された樹脂を含む二官能性物質である。さらに他の実施例において、当該架橋結合剤は環状尿素、グリオキサルおよびポリオールの凝縮物を含む多官能性物質である。当該架橋結合剤は処理対象のセルロース繊維の総重量に対する重量比で約0.001%乃至20%の量、望ましくは重量比で約5%の量、添加される。 公开号:JP2011514187A 申请号:JP2010546908 申请日:2009-02-13 公开日:2011-05-06 发明作者:ウィルクス、アンドルー;ドウアティ、ジュニア、ユージーン 申请人:プレイテックス プロダクツ エルエルシー; IPC主号:A61F13-20
专利说明:
[0001] 本発明は、広くは生理用タンポンなどの吸収体およびそれらのタンポンの製造方法に関し、より詳しくは改良された合成方法を用いて生成された架橋結合されたセルロース繊維を備えるタンポン用綿撒糸に関する。] 背景技術 [0002] 吸収性の生理用タンポンの構造は実に様々なものが当技術分野において知られている。典型的なものとして、市販の入手可能なタンポンは挿入側端部と引出側端部とを備えた概ね円筒形のケースに押し込まれ圧縮されたタンポン用綿撒糸により製造されている。一般的に、引出側端部に紐が取り付けられており、使用後に膣腔からタンポンを取り出す助けとなる。圧縮の前に、タンポン用綿撒糸は一般的に丸く巻かれ、螺旋状に捻られ、折り畳まれ、もしくは組み合わされて長方形の吸収体パッドに整形される。] [0003] 多くの市販の入手可能なタンポン用綿撒糸はレーヨンなどのセルロース繊維で作られている。レーヨンはタンポンの使用に関し、例えば、吸収性が高く、一般的に人体に用いた場合に安全かつ衛生的であると考えられており、原材料が適度に安価であり、持続可能性のある自然資源(例えば、ユーカリの木など)から製造可能であり、製造過程が十分に確立しており商業的に実施可能である、といった多くの利点を備えている。さらに、レーヨンは、例えば綿などの他の繊維と容易に混合可能であり、特定の目的のために特別な特性を持たせることができる。しかしながら、タンポンにレーヨンを用いる場合、いまだに問題がある。例えば、レーヨンはそもそも「人造絹糸」として開発され、衣服、家具、そしてタイヤの製造に用いられてきた。確かに、レーヨンは女性用ケア製品にも利用されてきた。しかしながら、本願発明者は、その利用において、女性用ケア製品における特別なニーズを満たすためにレーヨンの特性を調整する十分な努力がなされていない、ということに気付いた。例えば、女性用ケア製品に要求される独特な特性のバランスを満足させるように、高分子の合成方法の観点からセルロースの合成繊維の最適化が未だ行われていない。むしろ、今までの市販のタンポンの改良点といえば、見た目の変更や、例えばどれだけ大きく、もしくはどれだけ速くタンポンが膨張するか、といった物理的な変化特性に焦点が当てられてきた。] [0004] 生理用タンポンの古くから行われてきている製造方法の一つに、細長いレーヨン・フィラメントを積み上げ、縮らせ、絡ませて、水分により糸を架橋結合させ、さらにそれを捻ったり引き延ばしたりしてタンポンを作る、というものがある。そのような製造方法によれば、単位グラム当たりの繊維が吸収する水分量と水分を吸収した際の直径の増加量に顕著な特性を示すタンポンがもたらされる。この製造方法において知られている問題として、架橋結合をもたらす化学物質としてホルムアルデヒドが用いられること、不織布材料ではなくレーヨン糸が用いられること、そして、形成されたタンポンの性能と安全性を評価するために、分子量や架橋結合と結晶化の程度といった解析手段が、たとえあったとしてもほとんど用いられないという事実が挙げられる。] [0005] また、繊維の剛性が化学的処理もしくは物理的処理(例えば圧縮処理)により高められると、より多くの液体が保持可能となることが知られている。剛性が高められ、特に湿潤強度が高められると、繊維が互いに近づきにくくなり、その結果、吸収された液体がそこに留まる繊維内の毛細管吸収量が増えることになる。圧縮された吸水体の場合、乾燥弾性および乾燥回復性が考慮される必要がある。圧縮されたアセンブリにおいて保液能力を最大限に実現するためには、高い湿潤弾性を持つとともに、乾燥状態において低い弾性と回復性を持つ繊維を用いる必要がある。この方法による場合、形状の固定や繊維の損傷をもたらす余分な力を加えることなく最小限の圧縮力により、望ましい乾燥状態の圧密体が得られる。そのような繊維は、液体に接すると、弾性率が低い状態から高い状態に推移する。架橋結合されたレーヨンは、乾燥状態および湿潤状態における必要とされる特性を合わせ持つ繊維であり、水分を含むと圧縮した状態の嵩密度に対し62%の容積の増加が測定される、ということが一般的に知られている。] [0006] また、架橋結合されたセルロース繊維は、架橋結合されていないセルロース繊維と比較して、保水容量の特性に優れているため、液体を運搬し再配分する能力が高い製品を生み出す、ということも一般的に知られている。吸収性製品において湿潤状態のセルロース繊維がそれ以上、水分を吸収したり水分の供給口から離れた場所に水分を運搬したりできないとすれば、それは水分の吸収に伴い繊維の吸水容量が失われているためであると考えられる。さらに、架橋結合されたセルロース繊維は一般的に、架橋結合されていない繊維と比較して、湿潤状態における吸水容量が高い。その高い吸水容量は、架橋結合により繊維に対しもたらされる剛性、捻り特性、巻き特性の結果である。そのため、吸収性製品の吸水容量を増大させるとともに、吸水速度を速めるためには、架橋結合された繊維を用いるとよいことが広く認知されている。] [0007] 上述した知見を利用して合成の構成を検討することにより、より優れた、より安全な合成方法によって、従来のタンポン用綿撒糸を改良するためのバランスのとれた特性を示すレーヨンが得られる可能性がある。] 発明が解決しようとする課題 [0008] そのような状況において、本願発明者は、タンポンの吸収性を高めるために、架橋結合されたセルロース繊維、特に架橋結合され、架橋結合間の分子量が望ましい値を示し、規則性(例えば結晶度)と不規則性(例えば、非結晶度)とが程良くバランスされているレーヨンにより形成されたタンポン用綿撒糸に対するニーズが存在することを発見した。本願発明は、そのニーズを満たすものである。] 課題を解決するための手段 [0009] 本願発明は、吸収性を高めるように処理された微細構造を備える架橋結合されたセルロース繊維を備えたタンポン用綿撒糸を提供する。当該繊維は、少なくとも架橋結合間の分子量の1つが約10以上かつ約200以下を示し、結晶度が約25%以上かつ約75%以下を示すように、架橋結合剤による処理されている。一実施例において、当該架橋結合剤は二官能性架橋剤を含む。当該二官能性架橋剤は、例えば、グリオキサルまたはグリオキサルから生成された樹脂である。一実施例において、当該架橋結合剤は多官能性架橋剤を含む。当該多官能性架橋剤は、例えば、環状尿素、グリオキサルおよびポリオール凝縮液である。] [0010] 一実施例において、当該架橋結合剤は、処理対象のセルロース繊維の総重量に対し、重量比で約0.001%以上かつ約20%の量が添加される。さらに他の一実施例において、当該架橋結合剤は、セルロース繊維の総重量に対し、重量比で約5%の量が添加される。] [0011] 本願発明の特徴や効果は、以下に示す発明を実施するための形態を添付の図面とともに検討することで、より良く理解される。] 図面の簡単な説明 [0012] 図1は、ビスコース・レーヨン繊維を生成するための従来の処理過程を示した図である。 図2は、本願発明の一実施形態にかかる架橋結合されたセルロース繊維を生成するための処理過程を示した図である。 図3は、当技術分野において既知の、一般的なセルロースの化学的構造を示した図である。 図4は、セルロース分子における原子の立体化学構造を、水酸基(-OH)を架橋結合および/もしくは水素結合の場所として強調表示しつつ3次元で示した図である。 図5は、レーヨンの生成において用いられる様々な品質のパルプに関する分子量分布を示した図である。 図6は、様々な品質のレーヨンに関する湿潤引張強度を示した図である。なお、この図において、従来からレーヨンの湿潤強度として広く採用されている5%の伸張率における湿潤引張強度が用いられており、本願発明により製造されたレーヨンに関する湿潤引張強度がより高い値であることが示されている。 図7は、本願発明の一実施例にかかるバッグ入りタンポン用のバッグを準備する方法を示した図である。 図8は、本願発明にかかるタンポンを製造するための器具を示した図である。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8 実施例 [0013] 本願発明によれば、タンポン用綿撒糸が、架橋結合された、例えばレーヨンのようなセルロース繊維により生成される。本願発明の一実施例において、よりよい性能を示すタンポンを得るために、架橋結合されたレーヨンの吸収性を高め、また乾燥弾性と湿潤弾性のほどよいバランスを実現するように、架橋結合の比率と架橋結合間の分子量を変更することなく、架橋結合されたレーヨンの全体的な分子量が調整される。] [0014] 本願発明にかかるタンポン用綿撒糸によれば、(a)月経血のような粘弾性流体を従来のタンポンより多く吸収する、(b)従来のタンポンより月経血を速く吸収する、(c)膣の形状および輪郭に沿い、装着の際の高い快適性を実現する、(d)使用時に液体が膣腔から漏れ出得る全ての経路を塞ぐように素早く膨張することで、膨張前の早期漏出を防止する、(e)タンポンの管理を行っている食品医薬品局のような組織により要求される、単位重量当たりの高いシンジナ吸収率を示す、(f)ごく小さい力でアプリケーターからタンポンが取り除ける、(g)高い温度および湿度においても、これらの特性が維持される、といった特性をもったタンポンの性能が実現可能となる。] [0015] 以下に述べるように、本願発明は合成繊維が持つ数多くの属性を組み合わせ、また調整することにより、改良されたタンポン用綿撒糸を提供する。本願発明の一実施例において、レーヨン繊維に用いる主たるセルロース原材料と、レーヨンを製造するための最も一般的で知られた製法であるビスコース法に関する再考察を行っている。一般的に知られているように、レーヨンはほとんど全てのセルロース材料から生成可能である。従来から用いられている材料としては、例えば広葉樹から作られたパルプ、針葉樹から作られたパルプ、バクテリア・セルロース、スイッチグラス、ジュート、麻、亜麻、カラムシ、その他それに類するものがある。これらの材料のあるものは、リグニンやヘミセルロースといった非セルロース成分をかなりの比率で含んでおり、タンポン用のレーヨンとして用いるメリットがほとんどない。さらに、これらの原材料は強い配向性と結晶性を示し、レーヨンの吸収特性を損ねる。そのようなわけで、例えば高い比率(例えば、約98%)でセルロースを含有しているユーカリの木から作られたパルプは、大農園において容易に成長し(例えば、ユーカリの木は細く、成長が早い)、そのため、本願発明の目的に適ったレーヨンを実現するための優れた原材料であることが判明した。] [0016] 原材料の選択の次に、ビスコース・レーヨンの生成過程において採用されている合成方法に焦点を当てた。図1に示されるように、ビスコース・レーヨンの従来製法100は、選択処理、浸漬処理、圧搾処理、裁断処理、熟成処理、キサントゲン酸塩処理、溶解処理、成熟処理、濾過処理、脱気処理、紡糸処理、引出処理、洗浄処理、そして切断処理を備え、それらによりレーヨン繊維が生成される。ブロック110において、上述したように、セルロース原材料の選択が行われる。ブロック120において、浸漬処理は、セルロース原材料を例えば摂氏18度から25度の範囲内の温度の17-20%の水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液に浸し、セルロース繊維を膨張させ、セルロースをアルカリ・セルロースに変化させる過程を含む。アルカリ・セルロースはブロック130に引き渡され、圧搾処理において、原材料の元々の重量の約2.5から3.0倍の湿重量となるように、膨張したアルカリ・セルロースが圧搾される。通常、圧搾処理においてセルロースに対するアルカリの比率が好ましいものに調整される。ブロック140において、圧搾されたアルカリ・セルロースは細かく裁断され小片もしくは「屑」となる。圧搾されたアルカリ・セルロースを裁断することで、アルカリ・セルロースの表面積が増加し、後のビスコース生成過程における反応を良くするのである。ブロック150で、望ましい重合レベルに至るまでセルロースの高分子の分解が進む(例えば、セルロースが解重合される)ように、裁断されたアルカリ・セルロースは管理された時間および温度条件で熟成される。通常、裁断されたアルカリ・セルロースは摂氏約18度から30度の間の温度で、約2日間から3日間(約48時間から72時間)、熟成される。熟成処理において、元々のセルロース原材料に比べ、2から3倍、平均分子量が減少する。熟成によりセルロースの分子量が減少することで、望ましい粘性とセルロース濃度のビスコース溶液が生成される。熟成されたアルカリ・セルロースは、ブロック160に引き渡され、そこでキサントゲン酸塩処理を施される。ブロック160において、熟成されたアルカリ・セルロース屑はタンクに入れられ、液体二硫化炭素をかけられる。アルカリ・セルロース屑は摂氏約20度から30度の間の温度で管理された状態で二硫化炭素と反応し、セルロース・キサントゲン酸となる。ブロック170において、セルロース・キサントゲン酸は摂氏約15度から20度の間の温度で高せん断混合条件下において苛性ソーダ(例えば、水酸化ナトリウム (NaOH))の希釈液に溶かされ、一般的にビスコースと呼ばれるビスコース溶液となる。] 図1 [0017] ビスコース溶液はブロック170からブロック180に引き渡され、「成熟」するまでの期間、寝かされる。成熟期間中、2つの反応、すなわち再配分とキサントゲン酸塩族の消失が生じる。キサントゲン酸塩反応は可逆反応であるため、キサントゲン酸塩族の一部はセルロース水酸基に戻る。また、二硫化炭素(CS2)は遊離する。遊離したCS2は漏れ出すかセルロース鎖の他の部分において他の水酸基と反応する。このように、規則性もしくは結晶性が高い部分が徐々に破壊され、より完全な溶解状態となる。一般に知られているように、CS2が失われることでセルロースの溶解性が低減し、セルロースが細い繊維に形成された後にその再生が促される。ブロック190において、ビスコースは濾過され、溶解していない物質が取り除かれる。濾過されたビスコースはブロック200に引き渡され、脱気処理(例えば、真空処理)により、レーヨンの細い繊維に空洞もしくは弱い部分が生じないように、ビスコース内に封入されている気泡が取り除かれる。] [0018] 脱気されたビスコースはブロック200からブロック210に引き渡され、押し出し成形過程もしくは紡糸過程においてビスコース・レーヨン・フィラメントが生成される。ブロック210において、ビスコース溶液はスピナレットから定量ずつ押し出され、例えば硫酸や硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛などの入った紡糸浴槽に入る。硫酸はセルロース・キサントゲン酸ナトリウムを酸性化(例えば、腐食)し、硫酸ナトリウムはビスコースの凝固を速めるために必要な高塩分含有量をもたらし、硫酸亜鉛はキサントゲン酸ナトリウムと反応してキサントゲン酸亜鉛を生成し、セルロース分子を架橋結合させる。セルロース・キサントゲン酸(ビスコース溶液)が中和され酸性化されると、急速な凝固が生じてレーヨン・フィラメントが形成される。ブロック220において、すなわち引出処理において、セルロース鎖がまだ比較的動きやすいうちに、レーヨンの細い繊維の引き伸ばしが行われる。引き伸ばしにより、セルロース鎖が伸びて繊維の軸に沿うようになる。セルロース鎖が平行になればなる程、鎖間水素結合が形成され、レーヨン・フィラメントに織物用繊維に必要な特性(例えば、光沢、強度、柔軟性、染色に対する親和性)がもたらされる。例えば、引き伸ばしとセルロース・キサントゲン酸の分解が同時に行われると、徐々にセルロースに望ましい粘性がもたらされ、繊維中のより広い範囲で結晶化が生じる。] [0019] ブロック230において、再生成されたレーヨンは洗浄され、塩分やその他の水溶性不純物が取り除かれる。従来から用いられている様々な洗浄技術が利用可能であり、例えば、最初に全体的な洗浄を行い、次に硫化ナトリウムの希釈液で処理することで硫黄不純物を取り除き、漂白剤により染み(例えば、セルロース繊維からもたらされる黄色)抜きをし、均等に色づけをし、最終洗浄を行う。ブロック240において、洗浄されたレーヨン・フィラメント(一般的に「麻屑」と呼ばれる)が、例えば回転カッターやそれに類するものにより、望ましい長さの繊維(一般的に「フス」繊維と呼ばれる)に切断される。そして、フス・レーヨン繊維は対象の目的のために使用可能な状態となる。] [0020] 一般に知られているように、上述したビスコース・レーヨンの製法100の各処理はレーヨン繊維の特性を変更するために変形され得る。例えば、高い弾性と高い引張強度を持ったレーヨンはアサヒ蒸気噴出製法(アサヒ化学工業株式会社、大阪、日本)を用いることで得られる。他の変形の例として、セルロース原材料は酸化銅とアンモニアの混合物により複合されることで銅アンモニア・レーヨンが得られる。また別の変形された製法において、セルロース原材料はN-メチルモルホリンN-オキシド(NMMO)を極性溶剤もしくは懸濁剤として用いることで高い引張強度を持ったレーヨン(例えば、テンセル・レーヨンやリヨセル・レーヨン)となる。さらに他の変形された製法において、セルロース原材料は、例えば1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリドや、アンモニアもしくはチオシアン酸アンモニウムなどの他の溶剤といったイオン性溶液を溶解剤または懸濁剤として用いることで高い引張強度を持ったレーヨンとなる。さらに他の変形例において、発泡剤や空気による処理が加えられることにより、「ホロウ(空洞)」レーヨン繊維ができる。上述したように、レーヨン繊維の製造には従来から多くの合成方法がある。] [0021] 一般的なレーヨンの製造のために広く用いられているビスコース製法においても、処理過程の変更や追加を行うことにより、タンポンの性能に適する特性を持ったレーヨンの合成を行うことができる。例えば、窒素と酸素をベースとした所定の重合調整剤を加えることで、繊維に与える伸縮性の程度を変化させることができる。また、ジメチルアミン(DMA)を用いることでジメチルジチオカルバミン酸が生成され、ビスコースの特性に変化を与える有効物質として機能する。一実施例において、DMAを塩または酸の紡糸浴槽(図1のステップ210)に加えることにより、望ましいレベルの亜鉛架橋結合がもたらされる。] 図1 [0022] 本願発明者は、図1を用いて上述したビスコース・レーヨンの製造過程におけるこれらの合成方法が、少なくとも経済的および製造上の実用性の観点から望ましい結果をもたらすものであると認識している。しかしながら、本願発明者はまた、NMMOとイオン溶液を溶剤として用いる場合、溶剤の再利用が可能となるので、環境面で望ましいと考えている。さらに、NMMOとイオン溶液を用いる合成方法によれば、経済性が高まるだけでなく、架橋結合を促進させることができるため、通常のビスコース合成法では容易に実現できないレーヨンの微細構造(例えば、分子量と結晶化度)の調整が可能となる。従って、合成過程に変更を加えることにより、様々なタンポン製品のニーズを満たすことができる、というのが本願発明者の考えである。] 図1 [0023] 本願発明者はまた、上述した合成過程の範囲内において、合成方法の詳細部分(例えば、時間、温度、湿度、圧力、その他の設定)を変更することにより、そして特にユーカリの木のパルプをセルロース原材料として用いることにより、製品の性能を改善することができることを発見した。例えば、本願発明者は、セルロース原材料のパルプシートを苛性ソーダに浸し、乾燥させ、裁断し、熟成させる時間、また設定温度および設定湿度が酸化的分解反応の程度に影響し、その結果、レーヨン全体の平均分子量が影響を受けることを発見した。さらに、本願発明者は、フィラメントを押し出し、伸張し、縮れさせる過程において採用される方法と、スピナレットの大きさおよび形状がレーヨンにもたらされる結晶の形態、方向および程度に影響することを発見した。さらに本願発明者は、ビスコース法を用いて、Y字型のスピナレットを採用することにより、高い吸収性を持ったレーヨンが生成されることを発見した。] [0024] 図3−6はセルロースの化学構造の一例と、従来の方法により作られた一般的なレーヨンの特性を示しており、それらが検討され改良され、例えば図1に示される処理過程が変形されることにより、タンポン製品の要求を満たすより高いグレードのレーヨンを得るための元となるものを示している。図3および4はセルロースの既知の化学構造を示している。図3および4に示されるように、セルロース260は「ピラノース」として知られる六員環構造を持つD-グルコース単位の連鎖により構成されている。ピラノース環は一つのピラノース環の一つの炭素と隣接するピラノース環の別の炭素との間が単体の酸素原子により結合(アセタール結合)されている。アルコールとヘミアセタールの反応によりアセタールが生成される際、水分子が失われ、セルロース分子に含まれるグルコース単位が「無水グルコース」単位と呼ばれるものになる。図3に示されるように、中間の無水グルコース単位は各々、3つのアルコール基(例えば、-OH基)を含み、一方、長い鎖状構造分子の末端の無水グルコース単位は4つのアルコール基を含んでいる。] 図1 図3 [0025] アセタールが持つ重要な特性の一つに、その空間的配置がある。グルコースが最初のピラノース環を生成する際、その最初の環の1つの炭素に結合している水酸基が2番目の環の炭素にいずれかの側から近付いてゆき、その結果、多様な立体化学構造がもたらされる。例えば、エクアトリアル位にある官能基の立体化学構造においては、セルロースの鎖状分子が直線的に伸びる結果、優れた繊維をもたらすポリマーが得られる。アキシアル位においては少々異なる化学構造により結合が行われるため、直線的ではなく螺旋状のでんぷん分子が形成される。] [0026] 1分子の中に多数の-OH基が含まれるため、セルロースは水溶性であると思われるかもしれないが、そうではない。これらの水酸基はセルロース鎖上のエクアトリアル位にあるために、図4における270で概ね示される部分において、延伸する分子の側面から突き出す。この位置のため、それらの水酸基は容易に水素結合してしまう。これらの強力な水素結合により、セルロースの持つ重要な特性がもたらされる。すなわち、1)それらの結合により、水性溶媒による固体のセルロースの侵食が防止され、水だけでなく他のほとんど全ての溶媒に対し溶解しない、2)それらの結合により、複数の鎖が集まって規則性の高い構造(例えば、結晶のような構造)を形成する、3)それらの結合により高い強度がもたらされる、4)それらの水素結合により、ほとんどの熱可塑性樹脂に見られるような融解がセルロースには生じない、といった特性である。] 図4 [0027] しかしながら、セルロースは全体としては結晶性が高くない。一般的に、セルロース鎖は結晶構造の部分よりも長い。そのため、秩序性の高い部分(すなわち結晶部分)と秩序性の低い部分(すなわち、非結晶部分)とが生じることになる。秩序性が比較的低い部分においては、鎖どうしは比較的離れていて、水などの他の分子と水素結合しやすい状態である。レーヨンを含むほとんどのセルロース構造を持つものは、大量の水を吸収することができる。このように、レーヨンは水に溶け出さないが、水の中で容易に膨張する。] [0028] 上述の点を考察して、本願発明者はタンポン用の優れたグレードのレーヨンを合成するための重要な点は、セルロース構造における程良い「バランス」にある、という認識に至った。例えば、そのようなレーヨンは、月経血のような水溶性の液体を程良く吸収するとともに逃がすために、十分な無秩序性を備えなければならず、同時に、特にレーヨンが湿潤状態でも高い強度を維持し、実現可能で経済的な処理過程において安定的に繊維が製造できるように、十分な結晶構造を備えている必要がある。本願発明者は、合成方法に様々な方向付けを行うことで、上述したバランスを実現できる、ということに気付いた。] [0029] 上述したように、繊維を製造するために、一般的なセルロースの分子量がまずパルプ(図5)の分子量より小さくされることで、比較的小さいスピナレットを通しての押し出しが技術的に可能となり、また経済的にも実行可能となる。図5に示されるように、一般的なパルプの重合度(DP)は約30から3000の範囲内である。それに対し、レーヨンの重合度は約260と小さい。ビスコース・レーヨンの従来法の製造方法100(図1)に関し既に述べたように、また図2の改善された製造方法300に関し以下に述べるように、この小さい分子量の実現のためには複数の処理過程を要する。まず、適当な原材料の選択が行われる(ブロック110、310)。次に、パルプを腐食剤に浸し(ブロック120、320)、その後、次の処理工程(ブロック130、330)に引き渡され、酸化的分解反応とアルカリ加水分解によりその後の処理工程に耐えうるレベルとなるまで分子量が小さくされる。] 図1 図2 図5 [0030] レーヨンの製造における複数の処理工程において、結晶性の程度が調整可能である。中間の無水グルコースの各々には3つの水酸基があるが、上述のように、本願発明者はそれら(3n+2)個の水酸基(nはセルロースの重合度)の全てを反応させることは困難であることを認識している。例えば、水素結合は非常に強いため、それらの結合を分離する反応はその立体構造上の理由により限定されたものになる。そのため、キサントゲン酸塩処理の工程(ブロック160、360)における置換度(DS)は通常約0.7と低く、すなわち約70%の水酸基が反応するに留まる。比較的反応しやすい水酸基の多くは、秩序性の低い部分に存在する。キサントゲン酸塩処理における置換度が高い程、結晶性の部分の分離が生じる。本願発明は、この処理工程において鎖間の水素結合の阻害を行うことができ、それに続く処理工程において繊維の湿潤引張強度および強度を下げることができるということに注目した。] [0031] 本願発明者は、セルロースの微細構造を変更するための一つの方法として、例えば、キサントゲン酸塩反応(ブロック160、360)のすぐ後に、架橋結合剤を比較的少量(約0.1%以下)添加することにより、置換されていない-OH基を用いた分子間および分子内の架橋結合を行わせることを思いついた。それに続く溶解処理(ブロック170、370)、成熟処理(ブロック180、380)および濾過処理(ブロック190、390)を可能とするために、この処理において架橋結合のレベルは低い必要がある。] [0032] 本願発明者は、架橋結合剤を添加可能と思われる他の工程は紡糸工程(例えば、ブロック210、410)であるとの認識に至った。例えば、(米国アラバマ州モビールにある)コートールドノースアメリカ社(以下、「コートールド」と言う)によって開発された従来技術の処理過程の一つは、非常に高い引張強度および弾性(例えば、約7から10g/den)を有するW-63と呼ばれる繊維を作り出すために、紡糸浴槽に少量のホルムアルデヒドを用いている。この技術に基づいて、コートールドは「テネックス」と呼ばれる糸を作り出した。しかしながら、テネックスの糸には目立った欠点がいくつかある。例えば、その繊維はもろすぎて、紡糸浴槽から繊維を取り出す際に問題があった。それゆえ、本願発明者は、結晶化度、水の吸収性、湿潤強度、および繊維の成形性のバランスをとるために、上述したような特別な紡糸のための条件および紡糸のための重合調整剤を処理過程(ブロック210、410)において加えて、結晶化度を調整することが可能であると認識するに至った。また、延伸工程(ブロック220、420)においては、繊維の結晶化度を変えるために、延伸の比率を変えることができる。引き伸ばしの度合いは、この段階で作られた繊維に対して一定の方向付けを与え、それゆえ結晶化度に影響を与える。] [0033] さらに、例えば(ブロック220、420において)繊維が引き伸ばされた後に、もしくは最後の洗浄工程(ブロック230、430)の前において、後処理としての架橋結合剤を繊維に加えてもよい。本願発明者は、これらの後処理の段階(例えば、ブロック420もしくは430)における架橋結合は、タンポンの製造において用いられる、より強くより丈夫な繊維、すなわちより強くより丈夫な織物を生み出す助けとなる、ということを言い添えておく。] [0034] 本願発明者はまた、架橋結合剤の選択が改良されたレーヨン材の生成において重要な要素であることを発見した。例えば、従来技術の処理過程は一般的に、費用および効率を考慮してホルムアルデヒドを架橋結合剤として採用している。また、本願発明者は、人体の内部において使用されるであろう製品にホルムアルデヒドを使用することについて、安全性の観点から著しい欠点があることを重視している。それゆえに、本願発明者は、セルロースの架橋結合剤としてクエン酸を使用することが望ましいと考えた。本願発明者は、セルロースを効果的に架橋結合するために、1つのセルロースの分子の中において(例えば、分子内の架橋結合)もしくは隣接するセルロースの分子間において(例えば、分子間の架橋結合)、少なくとも2つの水酸基が結合されるべきであることを見出した。効果的な架橋結合は一般的に、セルロースと2つの水酸基とが反応する際に、架橋結合剤が二官能基を有する(例えば、1,3-ジクロロ-2-プロパノール)ことを必要とする。二官能基を有する単一の架橋結合剤の代わりに、2以上の異なる分子を混合したものを用いて、効果的な二官能性もしくは多官能性の架橋結合を行うこともできる。例えば、一具体例において、架橋結合剤はグリオキサルやグリオキサルから生成された樹脂を含んでもよい。また、一具体例において、環状の尿素、グリオキサルおよびポリオールの凝縮物(例えば、米国のサウスカロライナ州チェスターにあるセクアケミカル社によってSUNREZ 700Mという正式名称の下に販売されている)は、多官能基を有する架橋結合剤として利用可能である。] [0035] 架橋結合剤の他のいくつかの例は、当技術分野の当業者にとって馴染みのあるものである。亜鉛塩は紡糸浴槽(ブロック210、410)において典型的に使用されるので、硫酸亜鉛および同様の二価陽イオンおよび適切な陰イオンを含んでいるイオン化された架橋結合剤が使用可能である。その他の架橋結合剤は、ブタンテトラカルボン酸、シクロブタン・テトラカルボン酸、テトラメチレン・ビスエチレン尿素、テトラメチレン・ジドイソシアネート尿素、ポリメタクリル酸等のポリマー・ポリ酸、ジメチロール・ジヒドロキシエチレン尿素等の尿素もしくはメラニンにメチル基が結合した誘導体、グルタルアルデヒド、エチレングリコール・ビス−(アンヒドロ・トリメリテイト)樹脂の合成物、および水和したエチレングリコール・ビス−(アンヒドロ・トリメリテイト)樹脂の合成物であるが、それらに限られるものではない。] [0036] 本願発明者は、タンポンへ適用される特定の架橋結合剤の選択が様々な要素に依存することを認識するに至った。以下において議論される結晶化度、湿潤強度、吸収性、繊維の成形性の「バランス」をとることに加えて、用いられる架橋結合剤の選択は、例えば、製品の衛生や安全性、規制認可、製品の品質、関心のある温度での十分に高い反応速度(もしくは反応率)、望ましくない副反応の傾向、製造における問題、その架橋結合剤の原材料の費用等にも依存する。] [0037] 本願発明者は、セルロースの非結晶性の断片よりもむしろ結晶性の断片において、より大きな程度で架橋結合が生じる傾向があることを認識した。重合体セグメントは鎖の充填密度がより大きいため結晶性の部分においてお互いにより接近しているので、この結果は明らかである。それゆえ、結晶化度および架橋結合が相互に関係していることが推測される。本願発明者は、そのような相互の関係がタンポンの性能等の主要な重合体の特性に影響を与えることを認識した。] [0038] 本願発明者はまた、架橋結合剤の選択に加えて、用いられる架橋結合剤の量も関係があることを発見した。例えば、本願発明者は、用いられる架橋結合剤の量が、架橋結合反応から当然生じるであろう改善された吸水容量および改善されたタンポンの諸特性を生み出す望ましい架橋結合の程度、架橋結合反応の効率、および架橋結合間の望ましい分子量によって変わるであろう、ということ発見した。本願発明者は、用いられる架橋結合剤のレベルが、ここで取り扱われるセルロースの総重量を基準に、約1000分の1%(0.001%)から約20パーセント(20%)までの重量の範囲内であることを見出した。一具体例において、架橋結合剤は、セルロース繊維の総重量を基準に、約5パーセント(5%)の重量である。架橋結合反応の効率に関して、本願発明者は、ほとんどの化学反応と同様に、関心のある特定の化学反応に対して最適な温度があることを究明した。多くの場合、架橋結合反応は、図1における従来の処理過程100に関して概説された工程においてレーヨンが通常処理されるのと同じ温度で適切に速く進行する。その他の場合においては、遊離基法もしくは酸化−還元触媒反応によって、すなわち触媒を付加することによって反応を促進することが望ましい。触媒の典型的な例は、例えば、過酸化物、過塩素酸塩、過硫酸塩、および/もしくは次亜リン酸塩である。] 図1 [0039] 本願発明のその他の態様において、本願発明者はレーヨンの合成過程に架橋結合反応を選択的に導入する。ビスコース・レーヨン生成のための改良された処理過程300は、図2に示される通りであり、図1における上述のビスコース・レーヨン生成のための処理過程100と類似のものである。ここで、改良された処理過程300は、図1の従来のレーヨン精製のための処理過程において「1」および「2」の接頭辞が付けられている各々の工程に対応して、「3」および「4」の接頭辞を参照番号として有している。図2に示されるように、架橋結合反応は、例えばビスコースの「成熟」反応(例えば、図2のブロック380)の初期において、もしくは溶剤やスラリー状の化学物質(例えば、NMMO)が裁断されたパルプの断片に導入される間(例えば、図2のブロック340)において、導入される。あるいは、架橋結合は、例えば分解されたレーヨン・セルロースが大部分形成された後(例えば、図2のブロック410)等の粘性反応の後期において実行されることも可能である。架橋結合はまた、成長しながら凝固しているフィラメント繊維、仕上がった繊維屑、切断されたレーヨン繊維、もしくは仕上がったレーヨン繊維から作られた梳織物においても、採用されることが可能である。] 図1 図2 [0040] さらに、湿潤状態および乾燥状態のいずれにおいて架橋結合反応を採用することも、本願発明の技術的思想の範囲内にある。乾燥状態での架橋結合は、セルロースが実質的に水気や湿度の侵食を受けずに潰されている状態において(例えば、図2のブロック330における圧搾の工程の範囲内で)実行されるかもしれない。湿潤状態での架橋結合は、膨らんだもしくは湿った状態にあるセルロースにおいて実行されるかもしれない。一つの具体例において、架橋結合は、織物の形成に先だって、処理は終了したが未だ膨らんでいるステープル状態の繊維(例えば、図2のブロック440における切断の工程の後)に対して実行される。このようなやり方で、使用されなかった架橋結合剤は、適切な溶剤の中において均等に分散され、オーブンもしくは器のようなものの中において例えば摂氏約100度(100℃)で約1時間だけ処理され、架橋結合反応を完結し好ましくは吸水容量の特性を増加させる。架橋結合剤、(もしあれば)架橋結合のための触媒、および極性溶媒は、織物の形成およびタンポンの形成に先だって、水で洗浄され取り除かれて完全に乾燥される。] 図2 [0041] 架橋結合反応を加速するために、用いる架橋結合用の触媒の量および種類を変えることも、本願発明の技術的思想の範囲内である。上で挙げられたものに加えて、本願発明者は、セルロースに対して好適な架橋結合のための触媒としては、例えば、塩化マグネシウムもしくは硝酸マグネシウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、もしくはフルオロホウ酸亜鉛、乳酸、酒石酸、もしくは塩酸、硫酸アンモニウムもしくはリン酸アンモニウム、またはアミン塩酸塩などがあることを発見した。一具体例において、架橋結合用の触媒のレベルは、処理されるセルロース繊維の総重量を基準として、約1%の1000分の1(0.001%)から約10%までの重量の範囲内である。しかしながら、架橋結合反応において架橋結合用の触媒を導入することが、必ずしも必要な工程ではないということは、十分理解されるべきである。したがって、架橋結合用の触媒を使用することなしに架橋結合反応を実施することも、本願発明の技術的思想の範囲内である。] [0042] 本願発明者は、架橋結合反応の一部として上で用いられた1以上の原料がタンポン製品において採用される場合に二次的なメリットが得られる、ということを発見した。例えば、グリセロールモノラウレート、ソルビタンラウリン酸モノエステル(Tween20)、ラウレス硫酸ナトリウム、ジオクチル・スルコホハク酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、およびその他の界面活性剤等の原料は、抗菌作用を提供する。これらの原料はまた、繊維の表面の特性や相互作用、および、それゆえ月経血の吸収性に影響を与える界面活性の性質を有しているので、繊維の表面処理を助けることにおいても有用な可能性がある。さらに、これらの原料等の界面活性剤は、セルロースの湿潤性を改良するとともに、それゆえ置換反応およびその上架橋結合反応を促進するために用いることが可能である。最後にこれらの同じ原料は、繊維と繊維との摩擦および結合力を促進し、その結果として繊維を効果的に処理して織物にすることに貢献する。] [0043] 図2に示されるように、ブロック450において、化学処理または熱水処理による架橋結合の後処理をすることによって繊維の強度をさらに改良することも、本願発明の技術的思想の範囲内である。架橋結合の後処理については、さらに後述する。] 図2 [0044] レーヨンの合成のための処理に対する上述の改良は、特定のタンポンに適用される場合のレーヨンの特性の望ましい「バランス」を獲得するために、製品開発者達によって調整および調節され得る多くの要素、もしくは「手段」を提供する、ということは十分評価されるべきである。上述したように、異なった種類のタンポンの性能を最大化するためには、異なったレーヨンの特性を必要とする。例えば、「ライト」および/もしくは「レギュラー」の吸収性を有するものとしてランク付けされるタンポンは、より低い吸収性、より低い架橋密度、より大きい結晶化度を有するレーヨンを含んでいる。したがって、本願発明者は、図2のブロック420において行われる引出工程の継続時間を長くすることによって、セルロースの鎖が引き伸ばされて鎖間の水素結合が形成され、その結果としてレーヨン繊維の中の結晶化度の領域がより大きくなり、それゆえライトおよびレギュラーの吸収性に適するように調整されたレーヨンが提供される、ということを見出した。「スーパー」および/もしくは「スーパープラス」の吸収性を有するものとしてランク付けされるタンポンは、比較的高い単位グラム当たりのシンジナ吸収性、比較的高い架橋密度、および比較的大きい非結晶質の重合体部分を有するレーヨンを含んでいる。] 図2 [0045] 上述したように、本発明の一態様において、本願発明者は、上述された様々な要素を調整することによって、レーヨンの合成過程における相互作用がコントロールされるとともに最適化され、改良された合成過程およびその結果としてタンポン用綿撒糸に使用されることに対して改良されたレーヨンを提供することができる可能性がある、ということを発見した。本願発明者は、最適化された合成過程が多くの望ましい特性を有するレーヨンをもたらすことを究明した。例えば、本願発明者は、1以上の上述した要素を調整することにより合成過程が調整され、タンポンの吸収容量および水分を逃がす速度を改良し、繊維の物理的な特性(例えば、結晶化度の程度、分子量の分布、および未反応の不純物および副生成物の削減の程度、といった重合体の微細構造)を改良し、さらに繊維の表面特性を改良することができる可能性がある、ということを発見した。] [0046] 一具体例において、以下に説明されるように、従来のテストの分析および方法が新しいやり方で採用され、改良されたレーヨンを作り出す本願発明にかかる処理過程300の主要な特性が究明されてもよい。例えば、異なる条件において取り扱われるサンプルの結晶化度を決定するために、一つのサンプルが、解析のためのX線回折装置のチャンバーに配置され、信号を得るために十分な長さの時間だけ、適度なX線のエネルギーおよび強度を用いてスキャンされる。セルロースのX線の回折写真は、通常のパターン、すなわち結晶質の部分の特性および拡散するハロー、すなわち非結晶質の材料の特性の両方を示している。X線を用いた方法の他に、密度法、核磁気共鳴分析法(NMR)、赤外線の吸収による方法、およびその他の方法が、結晶化度の程度を推察するために用いられ得る。] [0047] 同様に、吸収性は従来技術の方法に従って決定され得る。吸収性を決定するための基準となる方法がある。例えば、INDAのテスト方法のIST10.1(5)、「吸収時間、吸収容量、および水分を逃がす速度に対する基準となるテスト方法」、不織布工業会、ケアリー、ノースカロライナ州、1995年、である。タンポンについてはまた、米国食品医薬品局が義務付けているシンジナテスト方法(米国の連邦公報、54巻、番号206、ページ43773から43774)がある。] [0048] さらに、繊維の引張強度(乾燥状態における、もしくは湿潤状態における強度)については、様々なテスト方法がある。例えば、米国材料試験協会のD2256の95a、「単一ストランド法による糸の引張特性に対する基準となるテスト方法」は、そのような基準となるテスト方法の一つである。当該方法および類似のテスト方法は、例えばインストロン(米国のマサチューセッツ州のノーウッドの大学通りの825、www.instron.com)において入手できる器具を用いて実施可能である。図6は、様々なレーヨンの品質において伸張性のパーセント表示に対する引張強度をプロットした結果を示している。本願発明にかかる繊維は、概して通常のレーヨンより高いがいくつかの他の品質のものほど高くはない湿潤状態での強度を示している。例えば、伸張性が5%である場合の湿潤状態での引張強度は、一般的に図6における参照番号500によって示されているように、本発明にかかるレーヨンに対してデニール当たり約1グラムの10分の5(0.5)である。] 図6 [0049] 動的機械分析法は、伸び縮みする(固体のような)特性および伸び縮みしない(液体のような)特性の両方を示すかもしれない架橋結合された重合体の力学的な特性を評価するために、有用である。そのような粘弾性法は、重合体が架橋結合された範囲を評価するために一般的に用いられる。] [0050] さらに、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、溶液粘度法、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびその他の基準となる分析法(ガスクロマトグラフィー、単純な滴定、溶解度測定等)が、本発明にかかる分子の特性を分析するために用いられ得る。最初の二つの分析法はセルロースの分子量を決定するために有用である。一方、それより後の方法は、以下に説明される様々な架橋結合反応の間に現れるかもしれない未反応の少量の分子種の濃度を決定するために用いられる。] [0051] 本願発明者は、本願発明の様々な特徴を説明するために多くの一般的な繊維を分析した。以下に提供される例において、例えばドイツのケルハイムにあるケルハイムファイバース社によってギャラクシーというブランド名の下に販売されているケルハイムマルチローバルファイバーのようなビスコース・レーヨン繊維に対し処理を行った。化学的処理および/もしくは熱水処理を、ビスコース・レーヨン繊維に対し行った。] [0052] 高温湿潤状態におけるビスコース・レーヨンの処理 高温湿潤状態における処理(熱水処理)の手順 前処理として、まずビスコース・レーヨン繊維を、室内温度が摂氏約23度の環境下で蒸留水によって3回洗浄し、全ての平滑剤(繊維仕上げ剤)を取り除く。当該繊維をその後圧搾して、一晩中摂氏約60度の真空オーブンの中に置いて乾燥する。] [0053] 高温湿潤状態における処理(HTWT)として、一具体例においては、摂氏約90度から150度までの温度範囲を用いる。別の具体例においては、摂氏約100度から124度までの温度範囲を、高温湿潤状態における処理に関し用いる。それらの各々は、以下の手順を含む。] [0054] 1.加圧滅菌器の中で、蒸し風呂の中の約1000ミリリットルの水が、摂氏約100度の温度になるまで予熱する。] [0055] 2.20グラムのビスコース・レーヨン繊維を浴槽の中の水(お湯)に浸す。加圧滅菌器はその後、ただちに密閉する。浴槽の中の水(お湯)の温度を測定する。当該温度が目標の温度に達すると同時にストップウォッチをスタートする。] [0056] 3.繊維のサンプルを適切な時間だけ予め想定した温度のレベルで保持する。] [0057] 4.その後、加圧滅菌器の圧力を解放する。そして、繊維のサンプルを取り出した後に約5分間だけ摂氏約23度の1000ミリリットルの水に浸す。] [0058] 5.その後、繊維のサンプルを圧搾し一晩中摂氏約60度の真空オーブンの中に置いて乾燥する。] [0059] 予め想定された目標温度まで加熱するために、ある程度の時間がかかる、という点は留意すべきである。目標温度まで加熱されるまでの当該時間は、約15分から40分までの範囲内の値である。また、当該目標温度は、以下に提供される例において摂氏約108度から124度までの範囲内である。] [0060] 上述した手順を、評価のために必要な量の繊維のサンプルが準備されるまで繰り返す。一具体例において、繊維のサンプルの必要量は、約100グラムである。] [0061] 化学的な架橋結合の処理のための手順(CCT) 前処理 まず、ビスコース・レーヨン繊維を室内温度が摂氏約23度の環境下で蒸留水によって3回洗浄し、繊維仕上げ剤すなわち平滑剤を取り除く。当該繊維をその後圧搾し、一晩中摂氏約60度の真空オーブンの中に置いて乾燥する。このように前処理されたレーヨン繊維は、対照見本としても用いる。] [0062] 化学的な架橋結合の処理 ビスコース・レーヨン繊維の化学的な架橋結合の処理(CCT)として、6つの異なる架橋合成剤のシステムを検討した。各々の架橋合成剤のシステムを用いたCCTの手順を以下に説明する。] [0063] ポリカルボン酸 例えば、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸およびクエン酸等のポリカルボン酸を、触媒とともに、セルロースの水酸基とのエステル化反応を利用した架橋合成剤として用いる。] [0064] A.1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸 架橋結合システム 架橋合成剤:1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸(BTCA) 触媒:次亜リン酸ナトリウム一水和物NaH2PO2・H2O] [0065] B.クエン酸 架橋結合システム 架橋合成剤:クエン酸(CA) 触媒:次亜リン酸ナトリウム一水和物NaH2PO2・H2O] [0066] 小規模試験の手順 1.室温にて、レーヨン繊維11グラムを、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸もしくはクエン酸(レーヨン繊維の重量を基準として約1重量%乃至5重量%)と約1乃至5重量%の次亜リン酸ナトリウムを含む水溶液約220ミリリットル(220ml)の水溶液に約10分間浸す。] [0067] 2.約10分の経過後、繊維を圧搾して水分のほとんどを除去し、摂氏約50度乃至60度の温度下で真空オーブンにおいて乾燥させ、水分保有レベルを望ましい値、例えば繊維の乾燥重量を基準として約25%または約50重量%とする。] [0068] 3.続いて、繊維を摂氏約165乃至170度の下で約2分間置いて硬化させる。] [0069] 4.硬化した繊維を蒸留水で3回洗浄して反応しなかった架橋結合剤と触媒を除去する。各洗浄に関し、硬化した繊維を約5分間、約220ミリリットルの蒸留水で洗浄する。洗浄が終わると、繊維を再度、真空オーブンで摂氏約60度の温度で完全に乾燥させる。] [0070] ジメチルヒドロキシエチレン尿素 架橋結合システム 架橋剤:ホルムアルデヒドを含まないように改質された化学物質ジメチルヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU) 触媒:塩化マグネシウム(MgCl2)] [0071] 小規模試験の手順 1.室温にて、レーヨン繊維11グラムを、DMDHEU(レーヨン繊維の重量を基準として1重量%または5重量%)と1乃至5重量%のMgCl2を含む水溶液約220ミリリットルに約10分間浸す。] [0072] 2.約10分の経過後、繊維を押して水分のほとんどを除去し、摂氏約50乃至60度の温度下で真空オーブンにおいて乾燥させ、水分保有レベルを望ましい値、例えば繊維の乾燥重量を基準として約25または50重量%とする。] [0073] 3.続いて、繊維を摂氏約165乃至170度の下で約2分間置いて硬化させる。] [0074] 4.硬化した繊維を蒸留水で3回洗浄して反応しなかった架橋結合剤と触媒を除去する。各洗浄に関し、硬化した繊維を約5分間、約220ミリリットルの蒸留水で洗浄する。洗浄が終わると、繊維を再度、真空オーブンで摂氏約60度の温度で完全に乾燥させる。] [0075] 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジン 架橋結合システム 架橋結合剤:2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジン (DCH-トリアジン) 触媒:NaHCO3 (pH調整のため)] [0076] まず、低温にて塩化シアヌルをNaOHで反応させ、水溶性のDCH-トリアジン・ナトリウム塩を準備する。] [0077] 小規模試験の手順 室温にて、レーヨン繊維約11グラムをDCH-トリアジン・ナトリウム塩(レーヨン繊維の重量を基準として1乃至5重量%)と1乃至5重量%のNaHCO3を含む水溶液約220ミリリットルに約10分間浸す。] [0078] 約10分の経過後、繊維を押して水分のほとんどを除去し、摂氏約50乃至60度の温度下で真空オーブンにおいて乾燥させ、水分保有レベルを望ましい値、例えば繊維の乾燥重量を基準として約25または50重量%とする。] [0079] 続いて、繊維を摂氏約150乃至160度の下で約2分間置いて硬化させる。] [0080] 硬化した繊維を約2重量%の酢酸約220ミリリットルで中和する。] [0081] 硬化した繊維を蒸留水で3回洗浄して反応しなかった架橋結合剤と触媒を除去する。各洗浄に関し、硬化した繊維を約5分間、約220ミリリットルの蒸留水で洗浄する。洗浄が終わると、繊維を再度、真空オーブンで摂氏約60度の温度で完全に乾燥させる。] [0082] グリオキサル/グリオキサル系樹脂 架橋結合システム 架橋結合剤:グリオキサルおよびグリオキサル系樹脂 触媒:MgCl2] [0083] グリオキサル、環状尿素およびポリオールを反応させることにより、環状尿素/グリオキサル/ポリオール凝縮物(グリオキサル系樹脂)を準備する。その後、以下に説明する手順を行う。] [0084] 約1リットルのフラスコに、重量比60(1.0モル)の尿素、75の水、75の1,4-ジオキサン、60(1.0モル)の含水ホルムアルデヒド、そして72(1.0モル)のイソブチルアルデヒドを加える。] [0085] 上記の反応混合物を約2時間、摂氏約50度で攪拌し熱する。] [0086] 触媒として酸を加えた後、反応混合物を約6時間、還流温度で熱する。その結果、4-ヒドロキシ-5,5-ジメチルテトラヒドロピリミジン-2-ワンの含まれる透明な溶液が生成物として得られる。本願発明者は、赤外分光法により、NHもしくはOHの成分を示す3300 cm-1、C=Oの成分を示す1660cm-1、C-Oの成分を示す1075cm-1の各々のピークにより確認した。] [0087] 上記生成物を、重量比150の40%のグリオキサル(1.08モル)と、32のプロピレン・グリコール(0.4モル)とともに、摂氏約70度の温度で約4時間熱し、環状尿素/グリオキサル/ポリオール凝縮物(グリオキサル系樹脂)を作る。] [0088] 小規模試験の手順 1.室温にて、レーヨン繊維11グラムを、グリオキサル(レーヨン繊維の重量を基準として1乃至5重量%)、グリオキサル樹脂(レーヨン繊維の重量を基準として1乃至5重量%)およびMgCl2(1乃至5重量%)、1乃至5重量%のMgCl2を含む水溶液約220ミリリットルに約10分間浸す。] [0089] 2.約10分の経過後、繊維を押して水分のほとんどを除去し、摂氏約50乃至60度の温度下で真空オーブンにおいて乾燥させ、水分保有レベルを望ましい値、例えば繊維の乾燥重量を基準として約25または50重量%とする。] [0090] 3.続いて、繊維を摂氏約160度の下で約2分間置いて硬化させる。] [0091] 4.硬化した繊維を蒸留水で3回洗浄して反応しなかった架橋結合剤と触媒を除去する。各洗浄に関し、硬化した繊維を約5分間、約220ミリリットルの蒸留水で洗浄する。洗浄が終わると、繊維を再度、真空オーブンで摂氏約60度の温度で完全に乾燥させる。] [0092] エチレングリコールジグリシジルエーテル(EDGE) 架橋結合システム 架橋結合剤:エチレングリコールジグリシジルエーテル(EDGE) 触媒:NaOH] [0093] 小規模試験の手順 1.室温にて、レーヨン繊維11グラムを、EDGE(レーヨン繊維の重量を基準として1乃至7重量%)およびNaOH(1乃至2重量%)を含む水溶液約220ミリリットルに約4乃至6時間、摂氏約40度で浸す。] [0094] 2.硬化した繊維を蒸留水で3回洗浄して反応しなかった架橋結合剤と触媒を除去する。各洗浄に関し、硬化した繊維を約5分間、約220ミリリットルの蒸留水で洗浄する。洗浄が終わると、繊維を再度、真空オーブンで摂氏約60度の温度で完全に乾燥させる。] [0095] 上述した全ての化学的架橋結合処理において、評価のために要する十分な量(通常、約100グラム)の繊維が得られるまで手順を繰り返す。] [0096] 架橋結合レーヨン繊維の評価手順 様々な処理により化学的もしくは熱水的に架橋結合の行われた多葉性繊維(ケルハイム繊維)を適正な対照群(通常、処理されていないケルハイム・ギャラクシー・ファイバー)と比較して照査する。本願発明者はそれらの繊維を所定の不織バッグを用いて、「バッグ入り綿撒糸」試験法に従い評価した。それらの不織バッグの製造手順は後述する。] [0097] 各試験例に関し、例えば、熱水的もしくは化学的に架橋結合の行われたレーヨンまたは対照試験用繊維の各分割量を用いた各「セル」に関し、通常、約25のバッグ入りタンポンを作る。] [0098] バッグ入りタンポンの製造過程 1.遊離したレーヨン繊維を包み込むためのバッグを必要量、入手する。] [0099] 2.例えば、ジェントル・グライド・スーパー・ホワイト・アプリケーター(円筒キャップと挿入補助具)のような市販のタンポンと、標準的な紐を必要量、入手する(ジェントル・グライドはプレイテックス・プロダクツ・インコーポレーション、シェルトン、コネチカット、アメリカ合衆国による米国登録商標)。また、試験対象の繊維サンプルも収集する。] [0100] 3.比較参照データとして、標準的な多葉性レーヨンを収集する。] [0101] 4.上述のバッグと繊維から、通常、同時に約25強のタンポンの集まりである「セル」を複数、平行して製造する。技師にはゴム手バッグを着用して繊維を扱うよう指示をする。] [0102] 各々のセルに関し、以下を行う。 5.選択した(吸収性の)繊維2.7±0.1グラムの分割量を、少なくとも25強、量り分け、例えばアルミ製マフィン型などの容器に入れる。一度に、例えば8個のセルの各々に関し25強の分割量(「毛玉」)を量り分け、全体として約200の分割量を作る。] [0103] 6.それらの分割量の各々に関し、ハウニHPシミュレータにより大サイズのタンポンを作る。このシミュレータを使って不織繊維からタンポンを作る操作は以下のとおりである。以下の説明は機械の設定の一例と一般的な操作手順を示すものある。以下のステップ7〜19がバッグ入りタンポンを繊維から製造する具体的な手順である。] [0104] 7.予め量り分けられた複数の毛玉を、その全てが入るまでHPシミュレータの直径約0.527インチの注入口に少しずつ押し込み、1つの毛玉を作る。] [0105] 8.そのように作られた毛玉を熱せられた炉管に移動し、華氏約260度(摂氏約127度)で予熱する。炉管の直径は約0.495インチである。] [0106] 9.当技術分野において広く知られているように、炉管を半球体で圧縮する。そして、綿撒糸の再配置を行う。熱せられた半球体の治具が回転すると、平板なシャフトのような治具の後端部が綿撒糸を炉管の中で圧縮する。空気シリンダーの端部の平板な押圧部には2個のスペーサが取り付けられている。その1つは約0.5インチであり、他の1つは約3/16インチ(約0.187インチ)である。] [0107] 10.炉管の中で温められた綿撒糸を、温度が華氏約525度(摂氏約274度)であり、分速約36.5インチの速度で移動する運搬炉に入れる。この運搬炉は当技術分野において広く知られているものである。] [0108] 11.熱せられた炉管はハウニHPシミュレータに戻される。] [0109] 12.約2インチから2.25インチの長さの適当な不織バッグを裏返しにして、上下逆にした冷えた炉管(直径0.531インチ)の端部に被せる。この2番目の炉管は予熱されておらず、「冷たい」。この冷えた炉管をHPシミュレータの中継部に置く。] [0110] 13.熱い炉管から綿撒糸を取り除き、その炉管を、華氏約260度(摂氏約127度)の温度に維持された温められたオーブンに戻す。] [0111] 14.熱処理により形成した綿撒糸を注入口に入れる。綿撒糸はバッグを通って冷たい炉管に移動される。つまり綿撒糸がバッグを押しながら冷たい炉管に入る。] [0112] 15.バッグに入った綿撒糸を冷たい炉管から取り出し、バッグの開口側の端部が鎖の紐取り付け側の端部に位置するように紐取り付け器具の中にセットする。] [0113] 16.そして、紐が綿撒糸の底部に取り付けられる。] [0114] 17.バッグの余分な開口部分を内側に折り畳む。] [0115] 18.平たいバッグの端部を綿撒糸の端部に対し折り畳む。それにより、結び目が締まり、綿撒糸に紐がしっかりと取り付けられる。] [0116] 19.上記のように形成し紐を取り付けた綿撒糸を空気シリンダーの圧力により大サイズのジェントル・グライド・ホワイト・アプリケーターに移動させる。] [0117] 20.ステップ5〜19を、各セルに関し25強のタンポンを作るために必要な回数だけ繰り返す。そして、大きなポリエチレンのバッグに各セルのタンポンを入れる。各々のバッグには、各セルの番号と、もし特定のセルに関し特別な繊維処理を行った場合にはその処理に関する短い説明を書いたラベルを貼る。] [0118] 本発明の特徴を明らかにするために、標準的なシンジナ吸収評価試験及び含水量試験の2つの試験を行った。シンジナ吸収評価試験の手順を以下に記述する。例えば、乾燥重量減量などの含水量試験は、メトラー・トレドハロゲン分析装置(Model No.MR-73)を用いて行った。また、それぞれの実験例について、3回乃至5回の水分分析を行った。] [0119] 上述したバッグ入り綿撒糸の形成試験で用いたバッグの作成 以下、少量の異なる繊維を評価するために用いられる不織布バッグを生成する一般的な方法の要点を説明する。本実験では4種類の異なった不織布材料を用いた。ただし、本願発明者は、異なる種類のバッグを用いる(ことに起因すると考えられる)場合にもたらされる結果についての差異についてはいかなる検討もしていない。] [0120] ここに記載する実施例のうちの多くは、下記表において「PGI-1」と記載するカバーストック式の不織布材料であり、これは、Bico#4139(PGI (Chicopee, AR)製)という、1平方ヤード当たり0.5オンスの材料である。他のPGI不織布繊維のうちの一種は、下記表において「PGI-2」と分類した1平方ヤード当たり0.4オンスの、基本重量がわずかに軽く生成された材料である。また、いくつかの「BDK」と分類した不織布バッグは、BDK Nonwovens (NC, USA)製の形式番号1014, R-73763から生成した。最後に、いくつかのバッグは、下記表において「HDK」と分類され、HDK Industries, Inc. (Rogersville, TN USA)製の、ポリエチレン及びポリエステルの熱融着可能な不織混合物である、スパンボンド式不織布を用いて作成した。] [0121] 切断 1.カバーストックを適当な大きさに切断する。適当な不織布カバーストック(上記3つの実施例のうちの1つ)の試料を、例えば、SS-6/JS/SP型のSur-Size(商標)裁断機(Azco Corp., NJ製)などの自動裁断機を用いて行なった。ここで記載するように、一具体例において、カバーストックの望ましい大きさは、一辺が約5インチ、一辺が約3.75インチの不織布片である。] [0122] バッグ作成 2.バッグを密封するために特別な装置を構成した。この密封装置は、約5.1秒の滞留時間で華氏296度(摂氏147度)の温度に設定した。送気管と真空管を所定の位置に配置し、前記目標温度の前後華氏2度(摂氏1度)以内に到達させた。このとき、カバーストックは、以下に述べる加熱された横型真空心棒に巻き付けられている。] [0123] 3.ハブ環を用いて、横型真空心棒を例えば上死点(例えば、12時の位置)といった所定の位置に設置される一連の複列真空孔まで手動で回転する。] [0124] 4.図7に示すように、真空心棒610上に、事前に切断したカバーストック600の紙片を載置する。] 図7 [0125] 5.カバーストック600は、その切り口縁端が開始端と約0.25インチ重なり合うまで真空心棒610に手動で巻き付けられる。] [0126] 6.ハブ環620を把持し、真空心棒610を密封棒にぴったりと収まるまで、時計回りに約90度回転する。重複した継ぎ目は、密封棒に対向するようになる。] [0127] 7.真空心棒610から手を離し、密封棒を作動させるために、制御盤の「開始」ボタンを押下する。] [0128] 8.約5.1秒後に、密封棒が格納され、心棒が外れることにより、密封されたカバーストック円筒管が除去される。] [0129] 9.カバーストック円筒管が除去された後、密封された重複した継ぎ目が確実に、均一に接合又は密封されているかを検査する。] [0130] 10.このようなバッグを、この特別な装置を使用して、手順1で切断されたカバーストックの紙片から十分な数だけ作成する。] [0131] 11.上記手順により作成したバッグをバッグ入り綿撒糸に用いる。] [0132] HPシミュレータを用いてタンポンを作成する一般的な手順 1.テスト要求の概要に記載の綿撒糸の種類に基づいて、以下の単一のサブコンポーネント部品を導入する(上記手順参照)。サブコンポーネント部品は、例えば、溝付ラム710(必要に応じてシムを追加)、中実ラム720(必要に応じてシムを追加)、成形スロート730、成形チェーンリンク740、デリバリーコーン750、オーブン管760及びストリンガーチェーン770を含む。図8は、これらのHPシミュレータ700のサブコンポーネント部品を用いた詳細な機構を示した図である。より具体的には、図8は、上記手順により、折り畳まれたタンポンの形成過程で使用される管の配置を示している。シミュレータ700において、溝付ラム710は、クロスパッド綿撒糸を詰め込み、チェーン740を形成するために用いられる。次に、中実ラム720は、糸を付けるためにストリンガー管770中に押し出される前に、上記の折り畳まれた綿撒糸を加熱されたオーブン管760内に搬送する。当然のことながら、特定のタンポンについて、どの大きさが、またどのような吸収性の範囲が必要であるかに応じて、様々なラム及び管について適切な大きさが選択される。一実施形態では、0.25インチの溝付ラム710(3mmのシムを含む)、0.374インチの中実ラム(シムなし)、0.618インチの成形スロート730、0.621インチの成形チェーン740、0.527インチのデリバリーコーン750、0.495インチのオーブン管760及び0.539インチのストリンガーチェーン770が本発明のタンポンを作成するために用いられた。] 図8 [0133] 2.例えば、ランドウェバー(Rando Machines, NY)などを用いて、まず不織布繊維を作成した。適当な複数の不織布繊維を結合して形成するために縫い針穴開け機を用いた。ウェブドフィングを形成するために切断及び巻き上げを行った。繊維はすべて、上記のランドマシーンを用いて空気繊維比率を調整することにより、所望の繊維密度となるように織機を用いて作成した。一般的に、繊維密度は、例えば約300g/m2である。次に、自動裁断機を用いて、バッグ作成方法の手順1で説明したように、繊維片を適当な大きさに裁断した。例えば、一般的に2×4インチ四方に裁断する。] [0134] 3.繊維片を裁断すると、シミュレータのステージングプラットフォーム上にクロスパッドレイアップ(2つの繊維片又はパッド)を戴置する。このパッドは、左右対称のクロスパターンを形成するように、互いに均等に中心に置く必要がある。] [0135] 4.上述のレイアップをシミュレータ700の右側に設置された溝付ラム710の中心に置く。] [0136] 5.成形チェーン740がメカニカルストップに対して右側に確実に配置されるようにする。成形チェーン740は成形スロート730の真下に置かれるようにする。] [0137] 6.左右の「圧力スイッチ」に両手の1本指を同時に置く。全サイクル中これらのスイッチを押し続ける。前記機械が起動し、両方のスイッチが押されているとすぐに前記ラムは降下する。] [0138] 7.上記のサイクルの終了時に前記圧力スイッチから両手を離す。これは、溝付ラム710が開始位置に最大限戻った場合の位置である。] [0139] 8.綿撒糸が成形チェーン740中に挿入されたことで機械が停止したら、オペレータが成形チェーン740を、左側にあるメカニカルストップに接触するまで左方向に動かす。このとき、成形チェーン740は、デリバリーコーン750の真上に、及び、中実ラム720の直下に置かれるようにする必要がある。] [0140] 9.デリバリーコーン750の口の直下に、適当な大きさの「予熱した」オーブン管760を配置する。スプリングオーブン管保持アームを確認する。熱せられたオーブン管760が完全に挿入されないと、綿撒糸挿入サイクルの間に、前記機械が深刻な故障をしてしまう。] [0141] 10.再度、左右の「圧力スイッチ」に両手の1本指を同時に置き、全サイクル中これらのスイッチを押し続ける。機械が起動し、両方のスイッチが押されているとすぐにラムが降下する。] [0142] 11.中実ラム720が開始位置に最大限戻った上記のサイクル終了後、両手を圧力スイッチから離す。] [0143] 12.オーブン管保持アームを外す。] [0144] 13.手バッグをはめ、オーブン管760を外す。この時点で、オーブン管760は未完成の形成された綿撒糸を内部に有する。] [0145] 14.必要に応じて、綿撒糸を成形し挿入端の直径を小さくして先細にするために、特別なテーパリングツール又はドーミングツールが用いられる。これは、特殊形状の成形端を持つ心棒を空気で作動させることによって行われる。] [0146] 15.内部に綿撒糸を含んだオーブン管760を硬化装置の運搬装置上に配置する。] [0147] 16.そして、綿撒糸は、オーブン管760から適当な大きさのストリンガーチェーン管770内に取り出される。かかりの付いた針を用いて、糸を綿撒糸に取り付け、結び目を作り、針を外して、糸を綿撒糸に固定する。次に、綿撒糸をストリンガーチェーン管770から外す。その後、それを空気で動作するラムを用いて、適当な大きさのタンポンアプリケータに入れる。] [0148] 17.最後に、アプリケーターの花弁を、アプリケーターのバレル(前記アプリケータの上部)を封止するために加熱する。こうすることにより、綿撒糸が汚染されることが回避される。] [0149] 18.それぞれのタンポンを作成するために、手順2乃至17を繰り返す。] [0150] シンジナ試験方法(吸収能力) 米国連邦広報第801、801.43で説明されているように、試験は標準的な米国食品医薬品局のシンジナ容量に従って行われる。] [0151] 17乃至30MPaの引張強度を負荷された非潤滑コンドームをガラス試験容器の大端部に輪ゴムで取り付け、滑らかな仕上げ棒を用いて小端部に押し通す。コンドームを全ての緩みがなくなるまで引っ張る。コンドームの先端を切断し、残りの端部を管の端部まで引き伸ばし、輪ゴムで固定する。事前に0.01g単位まで重さを測定したタンポンを、タンポンの重心がチャンバーの中心に位置するようにコンドーム膜内に配置する。注入針(14口径)を、タンポンの端部に接触するまでコンドームの先端により作成された隔膜を介して挿入する。外側のチャンバーは、摂氏27度プラスマイナス摂氏1度の平均温度を維持するために、温度制御された水浴から汲み上げられた水で満たす。この水は水浴に戻るようにされている。] [0152] その際、シンジナ液(塩化ナトリウム10グラム、認定試薬酸フクシン0.5グラムを蒸留水で1,000mlに希釈したもの)を、1時間当たり約50mlの速度で注入針に送り出す。タンポンが飽和状態となり、上記器具から最初の一滴が出たときに試験を終了する。また試験は、タンポンが飽和状態となる前にコンドームのひだで水分が検出された場合には中止する。その後、水を流し出し、タンポンを除去し、直ちに0.01g単位までその重さを測定する。タンポンの吸収能力は、最終重量から乾燥重量を減算することによって決定する。コンドーム10は、10回試験を行った後、もしくはコンドーム10を試験で用いた一日が終わる頃のいずれか早い方に交換する。] [0153] 結果 下記表1は、本発明の特徴を説明するための実施例の一覧表である。これらの実施例は、レーヨン繊維、特に多葉性レーヨン繊維の架橋結合後のものを含む。] [0154] そこに示されるように、いくつかの対照試料が、比較目的で、例えば、未処理、架橋結合されていない繊維などの標準的な方法で行われた。様々な不織布バッグが用いられ、それには上述の対照試料も含まれている。いくつかの実施例は、様々な条件を用いて熱水処理が繊維になされたことを示す。最後に、様々な化学的な架橋方法を詳細に検討した。これらの実施例について、下記のデータ表に参照用の略称とともに詳細な説明を示す。熱水処理もしくは化学的処理による架橋結合の方法は上記でその概要を述べた。表に記載された様々な処理は、上述の各々方法に対応している。] [0155] ] [0156] 表2は、表1に記載した実施例の水分値の結果と同様に、シンジナ吸収性(試料1グラム当たりの絶対吸収重量(グラム))の結果を提供する。表に示されるように、吸収性の結果は、期待される優れたタンポンのものよりもわずかに低い。これは、これらのタンポンを形成するために使用されるバッグ入りタンポン作成方法に起因するものである。注目すべき点は、各種処理の吸収性及び水分の差が、これらの測定の標準誤差を考慮して予想されたものよりもかなり異なるということである。シンジナ吸収性の結果を平均すると、例えば、推定された標準誤差は約0.16グラムであるのに対し、表2中では最小値5.61グラムから最大値9.56グラムまでの幅がある。] [0157] ] [0158] 表3は、表2の重要なデータの一部を再度示し、いくつかの有望な架橋結合処理の結果の統計分析を提供する。] [0159] 要約すれば、実験室試験は、加圧滅菌器中で摂氏116度で約45分間加熱処理された多葉性繊維(実施例3乃至8)は全体で、同程度に制御された繊維試料(C1-C6)と比較して、約16%(試料1グラム当たりの吸収重量(グラム)基準で10%)、平均吸収性が向上することを示している。吸水性の結果は、水分レベルの大きな違いや、形やバッグの詰め方の若干の違いにより影響を受ける可能性がある。しかしながら、本願発明者らは、8%から11%の水分レベルの違いは、ここで報告したように、16%吸収性が向上したことの十分な説明とならないことに気がついた。実施例E3は、ここに開示された本発明の概念の良好な例示を示しているとみなされる。] [0160] 当然のことながら、表2及び表3は、1%のクエン酸/1%の次亜リン酸ナトリウムの架橋結合処理もまた、例えば実施例10乃至13のように、対照試験結果に対し満足できる結果となったことを示す。これらの試料は、水温処理したものよりもさらに乾燥しているが、例えば14%もの明らかにかなり高い吸収性を示す。3%のグリオキサール/3%のグリオキサール樹脂/3%の塩化マグネシウム処理の結果もまた、例えば実施例15乃至17のように、対照試験結果に対して高いシンジナ吸収性を示す。その結果、この処理全体で約13%以上吸収性が高くなっている。他の全ての処理は、概ね同程度、又は対照試験の繊維資料と統計的にほぼ同等の吸収度を示した。もちろんのこと、本願発明者は、架橋結合の条件又は架橋結合の度合いを調整することで、これらの結果に影響を与えることができると推測している。] [0161] ] [0162] 上記においては好適な実施形態を説明したが、当然のことながら、当業者によりこれらの方法に多数の変更を加えることができる点が理解されるべきである。従って、当然のことながら、それらの当業者にとって、本発明の技術的思想の範囲から逸脱することなく、その形態や細部を変更することが可能である。] [0163] 本特許出願は、同時継続出願に関する35 U.S.C. §119(e)に従い、2008年2月15日に出願された米国特許仮出願61/029,073に基づいて優先権を主張する。かかる米国特許出願の開示は、本記載に全て組み込まれる。] [0164] 260…セルロース 600…カバーストック 610…真空心棒 620…ハブ環 700…HPシミュレータ 710…溝付ラム 720…中実ラム 730…成形スロート 740…成形チェーンリンク 750…デリバリーコーン 760…オーブン管 770…ストリンガーチェーン]
权利要求:
請求項1 吸水性能および湿潤強度の向上のための微細構造に対する処理の施された架橋結合されたセルロール繊維を備え、前記繊維は架橋結合剤により処理され、少なくとも1の架橋結合間の分子の分子量が約10乃至約200であり、かつ結晶度が約25%乃至約75%であるタンポン用綿撒糸。 請求項2 前記架橋結合剤は、前記セルロース繊維の総重量に対する重量比で少なくとも1%のクエン酸を含む請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項3 前記架橋結合剤は、前記セルロース繊維の総重量に対する重量比で少なくとも1%の次亜リン酸ナトリウムを含む請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項4 前記架橋結合剤は、二官能性の架橋結合剤を含む請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項5 前記二官能性の架橋結合剤は、少なくともグリオキサルおよびグリオキサルから生成された樹脂のいずれか一方を含む請求項4に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項6 前記架橋結合剤は、多官能性の架橋結合剤を含む請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項7 前記多官能性の架橋結合剤は、少なくとも環状尿素、グリオキサルおよびポリオールの凝縮物を含む請求項6に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項8 前記架橋結合剤は、処理対象のセルロール繊維の総重量に対する重量比で約0.001%乃至約20%の量、添加される請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項9 前記架橋結合剤は、前記セルロース繊維の総重量に対する重量比で約5%の量、添加される請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項10 前記セルロース繊維はユーカリ木のパルプを含む原材料から生成され、前記パルプに対する液剤に浸す処理、乾燥する処理、裁断する処理および熟成する処理における時間、温度および湿度の設定により前記繊維の酸化的分解反応の程度および総平均分子量が調整されている請求項1に記載のタンポン用綿撒糸。 請求項11 セルロースの原材料を選定するステップと、前記原材料を水酸化ナトリウムの液剤に浸し、アルカリ・セルロースを生成するステップと、前記アルカリ・セルロースを圧搾するステップと、前記圧搾されたセルロースを裁断するステップと、前記裁断されたセルロースを熟成するステップと、前記熟成されたセルロースを二硫化炭素で反応させ、セルロース・キサントゲン酸塩を生成するステップと、前記セルロース・キサントゲン酸塩を溶解し、ビスコースを生成するステップと、前記ビスコースを成熟させるステップと、前記成熟されたビスコースを濾過し、溶解していない物質を除去するステップと、前記濾過されたビスコースを脱気するステップと、前記脱気されたビスコースをスピナレットを通して成形し、セルロース・フィラメントを生成するステップと、前記フィラメントを引き出して、セルロース鎖を伸ばすステップと、前記引き出されたフィラメントを洗浄するステップと、前記洗浄されたフィラメントを切断し、セルロース繊維を生成するステップと、化学処理および熱水処理の少なくとも一方により後架橋結合処理を行うステップとを備え、前記圧搾するステップにおいて架橋結合剤を添加することによりドライ状態における架橋結合を形成するステップと、前記溶解するステップおよび前記成熟させるステップの少なくとも一方において架橋結合剤を添加することによりウェット状態における架橋結合を形成するステップとを備える架橋結合されたセルロース繊維の生成方法。 請求項12 前記架橋結合剤は、前記セルロース繊維の総重量に対する重量比で少なくとも1%のクエン酸を含む請求項11に記載の生成方法。 請求項13 前記架橋結合剤は、前記セルロース繊維の総重量に対する重量比で少なくとも1%の次亜リン酸ナトリウムを含む請求項11に記載の生成方法。 請求項14 前記架橋結合剤は、二官能性の架橋結合剤を含む請求項11に記載の生成方法。 請求項15 前記二官能性の架橋結合剤は、少なくともグリオキサルおよびグリオキサルから生成された樹脂のいずれか一方を含む請求項14に記載の生成方法。 請求項16 前記架橋結合剤は、多官能性の架橋結合剤を含む請求項11に記載の生成方法。 請求項17 前記多官能性の架橋結合剤は、少なくとも環状尿素、グリオキサルおよびポリオールの凝縮物を含む請求項16に記載の生成方法。 請求項18 前記架橋結合剤は、処理前のセルロール繊維の総重量に対する重量比で約0.001%乃至約20%の量、添加される請求項11に記載の生成方法。 請求項19 前記架橋結合剤は、前記セルロース繊維の総重量に対する重量比で約5%の量、添加される請求項11に記載の生成方法。 請求項20 セルロース鎖の長さを伸ばし、鎖間の水素結合を促進させ、より広範な領域で結晶性を高めるために、前記引き出すステップの継続時間を延長するステップを備える請求項11に記載の生成方法。 請求項21 前記後架橋結合処理は熱水処理により行われる請求項11に記載の生成方法。 請求項22 前記熱水処理は摂氏約90度乃至約150度の温度下において行われる請求項21に記載の生成方法。 請求項23 前記熱水処理は摂氏約100度乃至約125度の温度下において行われる請求項21に記載の生成方法。
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